Image
カバー画像(風力発電)

ウィンドファームプロジェクト認証について

2023年3月電気事業法が改正され、登録適合性確認機関が創設されましたが、今回は洋上風力においてグローバル標準となっているプロジェクト認証について説明いたします。

1.背景

風車の大型化、浮体式など新技術の開発や製品の進化、コスト削減への期待、自然災害や気象条件など、取り巻く環境は昨今激しく変化しています。一方で、エネルギー安全保障問題の解決や持続可能な社会の実現への取り組みをさらに促進するため、風力発電への投資機会が増大しています。しかし、安定供給という目標を達成するためには、リスクをどのように回避するかが重要な課題となります。プロジェクト認証では、リスクを適切に考慮しているかを客観的に確認するために標準化されたスキームを用いて確認いたします。

 

2.プロジェクト認証とは

一般的に風力発電設備が満たすべき技術要件として主にIEC 61400シリーズを使用し、その評価の方法としてIECRE OD 502が用いられます。IECRE OD 502では異なるモジュールを用い、モジュールごとに適合性の宣言を行います。

 

3.プロジェクト認証における具体的な確認項目

風況、地盤、地震、海象などの環境条件をIEC 61400-1およびIEC 61400-3に基づいて評価を行い、以下の設計基準を統一することが重要です。

  • 外部条件、負荷に関する設計パラメータ(設計ケース、安全率など)
  • 設計方法論と原則
  • プロジェクトの基礎となるコードと規格
  • その他の関連する法的要件(乗船、救助、撤去など)
  • 風力発電機の型式:逸脱の識別情報を含む主な仕様書または型式証明書
  • 支持構造物のコンセプト
  • 腐食防止のコンセプト
  • プロジェクト設計認証書、またはプロジェクト認証書の対象となるその他の設備
  • 製造、輸送、設置、試運転の要件
  • 運用と保守の要件
  • オプション:運転中の計画変更、系統コード、O&M 戦略、特定の適応 vs型式証明書、風力発電所の制御、マニュアル、系統接続要件、その他のプロジェクト要件(例:オーナー様から)

そのうえで、特に以下の点において全体荷重評価解析を行うことが求められます。

  • プロジェクトの設計基準に従って、風車全体構造(RNA+支持構造物+基礎)に対するサイト固有の荷重および派生する影響
  • 特に外部条件と設計状況の組み合わせ(例:通常、障害、輸送、設置など)
  • 部分負荷の安全係数
  • 計算方法(シミュレーション手順、シミュレーション回数、風荷重と波荷重の組み合わせ)
  • 現場条件と風車の運転および安全システムを参照して定義された設計駆動荷重ケース
  • サイト固有の荷重と型式証明書で想定される荷重の差異
  • タワー、支持構造物、基礎、およびそれらのインターフェース(RNA-タワー、タワー-支持構造物、支持構造物-基礎)の設計は、設計基準に準拠することの評価。剛性、減衰、地盤
  • 構造的な健全性のための製造、輸送、設置、メンテナンス計画

現在、その他設備(洋上変電所、電源ケーブルなど)も含めた第2版のOD502が開発中です。

 

ビューローベリタスグローバルでは、21拠点のテクニカルセンターに400名以上のエンジニアがおり、140ヶ国以上の拠点にオフィス、試験所を有しております。
ビューローベリタスジャパンは登録適合性確認機関として適合性確認を行っておりますが、グローバルネットワークを活用し、プロジェクト認証、Life Time Extension(耐用期間評価)などの風力関連サービスも提供しております。
ご質問やご相談等ございましたらぜひ問い合わせください。

12月号でも、ビューローベリタスの風力発電事業におけるサービスの詳細情報をお知らせします。

産業事業本部 高橋 宏史

 

【お問い合わせ】

ビューローベリタスジャパン(株) 産業事業本部
TEL:045-641-4219 神奈川県横浜市中区日本大通7 日本大通7ビル8F
TEL:078-322-0232 兵庫県神戸市中央区江戸町93 栄光ビル6F
ウェブサイト
お問い合わせフォーム

【ビューローベリタスのサービス】

風力発電関連サービス<陸上および洋上着床式が対象>