Image
mag_タンク

IMDG code 2020 edition(Amendment 40-20)およびADR/RID 2021 editionに基づくUNポータブルタンクの定期検査について

IMDG code およびADR/RIDについて

危険物の国際輸送については、国連の専門機関により国際ルールが定められています。 危険物の海上・陸上輸送についての国際規程として以下のIMDG code、ADR、RIDがありますが、危険物輸送容器であるUNポータブルタンクを運用するうえでの一般的な規定の他、UNポータブルタンクのデザイン・製造・試験・検査についても細かく規定されています。

  • IMDG code: International Maritime Dangerous Goods code(国際海上危険物規程)
  • ADR: Agreement Concerning the International Carriage of Dangerous Goods by Road(欧州危険物国際道路輸送協定)
  • RID: Regulations Concerning the International Carriage of Dangerous Goods by Rail(欧州危険物国際鉄道輸送規則)
Image
mag_ind_2102-01

 

 

UNポータブルタンクの定期検査の義務

IMDG code、ADR/RID(およびUS-DOT等)に適合したUNポータブルタンクは、新造後インサービスでの定期検査が義務付けられています。 新造時の初期検査(基本的には初期検査での水圧試験月)から起算して5年以内に水圧試験・気密試験・タンクの内部検査・安全弁の作動試験等を含む5年定期検査、およびこの5年の間に中間検査として2.5年検査を実施しなければなりません。以後同様に中間(2.5年)検査と5年定期検査を繰返し実施することが要求されます。

後述のT1-T23およびT50に該当するUNポータブルタンクについては、中間(2.5年)検査では水圧試験を除き検査内容は5年定期検査と同じです(中間検査では水圧試験は必要ありません)。中間検査では検査期限月に必ずしも中間検査を実施する必要はなく、検査期限月の前後3ヶ月は猶予期間が設けられています。また、同一製品輸送用の専用UNポータブルタンクについては、中間検査でのタンクの内部検査が免除される場合もあります。

T75に該当するUNポータブルタンクについては、中間検査および5年定期検査での検査内容は同じになりますが、水圧試験・タンクの内部検査は必要ありません。

本稿では、IMDG code 2020版およびADR/RID 2021年版において、UNポータブルタンクの定期検査に関する重要な改定がありましたのでお知らせいたします。

IMDG code 2018版およびADR/RID 2019年版と同様に、中間検査期限、5年定期検査期限を過ぎてからのUNポータブルタンクの充填は禁止されていますが、今回の改定において下記の条項(Chapter 6.7.2.19.6.2)が加わり、本来の定期検査期限(中間検査では3ヶ月の猶予期間)を過ぎた場合は、5年定期検査を実施したうえで充填することが義務付けられます。

Image
mag_ind_2102-02

 

UNポータブルタンクはポータブルタンクインストラクション(T code)によって以下の3種類に分類されますが、いずれの場合も同じ扱いになります。

  • T1 to T23:for the transport of class 1 and classes 3 to 9 (Liquid or Solid tanks)
  • T50: for the transport of non-refrigerated liquefied gases of class 2 (Liquefied gas tanks)
  • T75: for the transport of refrigerated liquefied gases of class 2 (Refrigerated liquefied gas tanks)
Image
mag_ind_2102-03

 

IMDG codeおよびADR/RIDは2年毎に改定されます。
MDG code 2020版は2021年1月より既に任意にて施行されていますが、2022年6月より義務化(必須)されます。ADR/RID 2021年版については2021年7月より義務化されます。

前述のとおり、T1-T23およびT50に該当するUNポータブルタンクの5年定期検査では水圧試験が必須になりますが、中間検査と比べ検査の準備および検査に時間を要し、一般的に検査費用も高くなりますので、特に中間検査に該当するUNポータブルタンクにつきましては、定期検査期限の確認を徹底されるようお願いいたします。

ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。 UNポータブルタンクについての知識、検査経験が豊富なエキスパートが対応いたします。

Image
mag_ind_2102-04

 

産業事業本部 椎葉 拓二郎

 


【お問い合わせ】
ビューローベリタスジャパン(株) 産業事業本部 トランスポート&ロジスティクスサービス事業部 TEL:045-641-4061 FAX:045-663-3777
お問い合わせフォーム

【ビューローベリタスのサービス】
産業設備・機器検査