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EUのPFAS規制強化へ

2023-05-30

2023年2月7日、欧州化学品庁(ECHA:European Chemicals Agency)はペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS:Per- and polyfluoroalkyl substances)の規制をさらに強化する提案書を発表しました。このなかには物質単体の基準値に加えて全フッ化物の基準値が含まれます。

背景

ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)は、耐水性、耐油性、防汚性といった特性から幅広い産業分野で使用されてきました。これらは、紙、テキスタイル、スキーワックス、電子機器、ペンキ、洗浄剤、鍋・フライパンなどのさまざまな消費財製品に含まれています。

欧州化学品庁(ECHA)は、すでにREACH規則に基づき、PFASを残留性化学物質に分類して製造、使用および上市を禁止する提案を発表しました。今回の提案は、PFASの環境中への放出を減らすため、PFASに基準値を具体的に設定し、規制を強化する意図があります。

リスク評価委員会(RAC:Committee for Risk Assessment)と社会経済分析委員会(SEAC:Committee for Socio-Economic Analysis)による6カ月間の科学的評価を経て、2023年3月から6カ月間のパブリック・コンサルテーションが開始されています。

提案の概要

PFASの定義は幅広くフッ化物質全般を指しており、「1個以上の完全にフッ素化されたメチル(CF3-)またはメチレン(-CF2-)または炭素原子(結合したH/Cl/Br/Iをのぞく)を含むすべての物質」と規定されています。

今回の提案書では3つの異なる規制値が設定されるとともに、全フッ素の規制が導入されています。

  • 対PFAS分析で測定した任意のPFASで25ppb(高分子PFAS類は定量化から除外)
  • 対PFAS分析の合計として測定されたPFAS類の合計は250ppb、オプションで前駆体の事前分解(ポリマーPFAS類は定量化から除外)
  • PFASの場合は50ppm(高分子PFAS類を含む)。全フッ素が50mg F/kgを超える場合、製造業者、輸入業者、または川下使用者は、要求に応じてPFAS類または非PFAS類のいずれかの含有量として測定されたフッ素の証拠を当局に提供するものとする。

この提案は、規制発効から18か月後に適用されます。またいくつかの除外項目も提案されています。

参考資料:RESTRICTION DOSSIER(ANNEX XV REPORT)(英語)

原文記事:EU PLANS FURTHER RESTRICTION OF PFAS(英語)

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