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米国のPFAS規制情報(ワシントン州、メリーランド州)

2022-05-31

米国ワシントン州とメリーランド州で、パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の規制法案が可決しました。

ワシントン州

2022年3月31日に州知事が法案HB 1694に署名、エコロジー省の管轄のもと今後さまざまな家庭用品のPFAS規制が加速すると思われます。

  • PFASを含有する消火活動用個人防具を「優先規制製品」に指定。
  •     2021年度PFAS化学物質規制計画書に記載されたすべての製品をPFAS規制の「優先規制製品」とする。こびりつき防止加工の調理器具、パーソナルケア用品、洗浄剤、撥水加工生地および用具、自動車関連製品、床用、スキー板用、自動車用ワックスと封水剤。
  • 今後エコロジー省が「優先規制製品」を追加することを承認。エコロジー省は、5年ごとに優先的製品を更新すると過去に表明している。本法案により、5年が短縮される可能性もある。
  • エコロジー省が今後規制対象製品のPFAS代替物質を評価し、2024年までに関連法案を作成予定。2025年までの法制化を目指す。

ワシントン州のPFAS規制法についてはこちら

メリーランド州

州知事がPFAS物質の禁止と規制に関する環境法案HB 275(SB 273)(ジョージ・ウォルター・テイラー法)に署名して発効。

  • ラグやカーペット(意図的にPFAS物質を添加したもの)の製造・販売・流通を禁止(2024年1月1日以降)。
  • 食品包材(意図的にPFAS物質が添加されたもので食品に直接接触するもの)の製造・販売・流通を禁止(2024年1月1日以降)。
  • クラスBの消火用発砲剤(意図的にPFAS物質が添加されたもの)の使用・製造・故意の販売や流通を禁止(2024年1月1日以降)。

本法は、PFAS物質を含んだ消火活動用の個人防護用具(PPE)を販売する事業者に対して、販売時に購買者へ宛てて個人防護用具(PPE)にPFAS物質が含まれている事実とその理由を文書で通知することを義務付けており、販売者と購買者はともにこの文書を販売から最低3年間は保持しなければならないとしています。
食品包材とは、「直接食品に触れるよう設計されたもので実質的部分が紙、ボール紙、その他の植物繊維由来の材質で製造されたもの」で、次のものを含むと規定されています。

  1. 食品包材に入れられたり、包装されたりした食品または飲料製品
  2. 食品包材の部品
  3. 販売時または、施設のフードサービスで使用されるプラスチック製の使い捨て手袋

「意図的に添加された」とは、「特定の特性を提供するために、製品に化学物質が継続的に存在することを期待して製品の成分として化学物質を故意に使用する行為」と規定されています。

PFAS物質は、「消火剤、消火用機材、食品包材、およびラグ、カーペット類に使用される場合、フッ素化有機化学物質のクラスとして(1)パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質など少なくともひとつ以上の完全なフッ素化炭素原子を含み、(2)消火用発泡剤の成分としてはクラスBの機能を充分に果たすもの」と規定されています。

ラグ、カーペット類は、「床を覆うために使用される厚みのある生地で、(1)商業用または住居用の広幅織のカーペットおよび(2)カーペットと組み合わせて使用されるパッドまたは下敷き」と規定されています。

メリーランド州のPFAS規制法についてはこちら

 

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