事例紹介

Case Study:株式会社ブルーム・クラシック(ISO22716)
エステサロン&化粧品の海外進出を見据えて、共通言語となるISO22716 を取得

Dec. 10 2019

株式会社ブルーム・クラシック
株式会社ブルーム・クラシック
(愛媛県大洲市)

海外進出で必要になったISO22716

屋上から伊予灘が一望できるロケーションにある同社の愛媛テクノ工場夏目漱石の名作「坊ちゃん」の舞台となった愛媛県松山市から1時間ほど南下した伊予灘沿いにある大洲市長浜町拓海工業団地。その一画、清潔感ある美しい建物がブルーム・クラシックの愛媛テクノ工場だ。ここで製造されているのは、全国に約200店舗展開しているエステサロンで使う化粧品の数々だ。かつては大阪で協力工場と連携し化粧品工場を運営してきたが、「お客さまに提供するものは、やはり自分たちでじっくり練れる環境の中で製造し、出荷までを一元管理して、万全の安全性をもってお届したほうが良い」という社長判断で、2009年に新たに愛媛テクノ工場を建設し、自社製造することになった。
この結果、今、前述のエステサロンで使用したり販売したりする化粧品の9割ほど、特に基礎化粧品はほぼ全てがこの愛媛テクノ工場で製造されており、その品質と信頼性の高さからドラッグストアなど一般消費者市場への進出や、他社のエステサロンで使う化粧品のOEM製造も始まっている。

同社のISO22716認証をけん引する居福朋大品質保証部長同社の品質保証部長の居福朋大氏は、このような工場の品質保証の責任者だ。他の化粧品メーカーでの経験を買われて転職し、同社がISO9001認証とISO14001認証を取得した際には事務局を務めた経験をもつ居福氏は、2年前、化粧品製造に特化したマネジメントシステム認証であるISO22716を取得するにあたっても陣頭指揮を任された。

そもそも同社のISO22716取得は、3年前マレーシアに進出するにあたってそれを求められたことがきっかけだった。今後アジアを中心とした海外進出を計画していた同社にとってISO22716取得がマストであると気付いた経営陣は、すぐに居福氏にISO22716の取得を命じた。
幸い長年にわたってISO9001を維持運用していた経験も手伝って、猶予期間内にISO22716認証の取得を果たし、マレーシアへの認証書の提出も猶予期間内に無事にできて居福 氏はホッと胸をなでおろした。

 

取得後に気付いた力不足

製品は、機械化と手作業を混在させた製造ラインで丁寧につくられるしかし、居福氏たちは、1年後の維持審査の時に、実はこれではダメだったということに気付いた。実際に1年間 運用した実績やデータを審査された時に、審査員の質問に満足な回答ができなかったり、自分たちでは「これで OK」と思っていたことにたくさんの是正指示を受けたりしたのだ。
この状況を居福氏は次のように分析している。「ISO22716は ISO9001よりも要求事項が具体的で詳細なので、要求事項に対 する明快で具体的な対応と回答を打ち出せばいいのですが、要 求事項をどう実行したら不足がないのか、そもそもこの要求事項 は何を目的としているのかといったことについて詰めが甘い。考え 切れていないのです」。
「しかし裏を返せば、これがISO22716取得で得た成果物でもある と思います。つまり、審査員に不備を指摘されることで、スタッフは 自分たちの思慮不足に気付きます。そして要求事項と結果の因果 関係について改めて意識します。実はこのこと(現場スタッフの意 識づけができること)がISO22716を取得したいちばん大きなメリットなのではないかと思っています」。

のべ 1000 種類もの化粧品が、この工場で開発・製造されている今、居福氏は、ISO22716の現場への影響力をさらに 高めるために、月に1~2度、現場スタッフのための講 義を行っている。講義はさまざまなコンテンツで行わ れ、それぞれのコンテンツに適合するスタッフを集め、 なるべく身近な内容で分かりやすいレクチャーにして、 理解を深めてもらうようにしている。
こうした努力の結果、現場スタッフも次第に審査員の 指摘や自分たちのすべきことへの理解を深めるように なってきている。「それまでは審査員に言われている ことがよく分からなくてぽかんとしている状態もままあ りましたが、今では、それを理解して、どうしたら改善できるかを自発的に考え、提案してくるスタッフも増えてきま した」。

 

取引先との関係づくりにも活用

もう一つ、居福氏がISO22716取得の大きなメリットだと感じていることがある。それは、OEMを頼んでいる取引 製品は、機械化と手作業を混在させた製造 ラインで丁寧につくられる のべ 1000 種類もの化粧品が、この工場で開発・製造さ れている 先との間に共通言語やしっかりした判断基準ができ、コミュニケーションが円滑になったことだ。
「たとえばOEMの依頼先がISO22716を取得していれば、どういうレベルや言葉でリクエストや質問をしていいかが、お互いにすぐに分かりますし、深い話し合いができます。
またISO22716を取得していない取引先を査察する場合も、ISO22716の要求事項をアレンジしたチェックリストを作り、それに基づき視ていけば間違いありません」。

 実は、それまで居福氏は、いろいろな既製のチェックリストを集めて、それをつぎはぎ的にまとめて、監査用のチェックリストを作っていたという。

品質保証のパートナー、名倉佳孝副工場長(左)と

「しかし、どうしてもドンピシャ感のあるチェックリストができず、悩んでいました。それがISO22716の要求事項を軸にして作ったら、ピシッとフィットする感じがあって、大満足のチェックリストができました」。 ISO22716を取得している取引先の担当者とは、その情報交換や苦労話で盛り上がることもあるそう。「こうして客先と下請けという緊張関係が和らぎ、いろいろなことを本音で話し合える関係ができれば、きっと品質にも反映されると思います」と居福氏は言う。

海外進出、フランチャイズ店の拡大、化粧品の市場開拓、OEM受注の拡大など、同社が見据える多くの「これから」に、ISO22716が名実ともに大きく貢献することを祈りたい。

(2019年10月11日取材)

 


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