住宅における省エネ基準改正の影響

1.改正省エネ基準とは
改正省エネ法が平成25(2013)年4月1日施行されました。省エネ法では、非住宅建築物と住宅でそれぞれ省エネ基準を定めていますが、非住宅建築物の省エネ基準において、これまで個々の建築設備ごとに基準を設けていたのを改め、建築物全体の省エネルギー性能を評価する一次エネルギー消費量の基準に変更されました。また、住宅の省エネ基準については、これまで、外壁や窓等の外皮の熱性能(断熱・遮熱)のみの基準でしたが、空調・換気・照明・給湯・昇降機などの建築設備による一次エネルギー消費量についても、新たに基準が設けられました。
一次エネルギー消費量の算定には太陽光発電による効果も加味されることとなり、一時エネルギー消費量の基準が加わったことにより、建築物全体の省エネルギー性能をわかりやすく把握することが可能となりました。


2.改正省エネ基準の施行スケジュール
省エネ基準はこれまで同様、性能基準として「判断基準」(エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準)と、仕様基準として「設計施工指針」(住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針)の2つで定められています。ただし、今回の改正においては大幅に省エネ基準の算定方法等が変わったため、特に住宅においては省エネ法改正から遅れて省エネ基準の施行が始まると共に、長い経過措置期間が設けられています。すなわち、住宅における省エネ基準の施行は平成25(2013)年10月1日、経過措置期間が1年半設けられたため、平成27(2015)年3月31日までは、従来の方法を用いてもよいこととなっています。


3.住宅にかかる省エネ法基準の他制度への影響(1)住宅性能評価
住宅性能評価制度において用いる住宅性能評価方法基準の温熱環境の項目は、省エネ法に準じた内容となっています。このため、省エネ法の改正を受け、平成26(2014)年2月25日に改正省エネ法に応じた温熱環境の評価方法として、新たに一次エネルギー消費量等級が新たに設けられると共に、これまでの省エネルギー対策等級として評価されていた項目は改正省エネ法に合わせて新たに外皮平均熱還流率等を評価対象とし、断熱等性能等級と改められました。これらの改正は平成27(2015)年4月1日から施行されますが、断熱等性能等級については、平成26(2014)年2月25日から先行適用も可能となっています。


4.
住宅にかかる省エネ法基準の他制度への影響(2)(独)住宅金融支援機構適合証明(フラット35)

(独)住宅金融支援機構の定めるフラット35の技術基準のうち、断熱構造については、住宅性能評価方法基準の等級2相当となっているため、住宅性能評価方法基準が改正されるのに伴い、住宅金融支援機構の技術基準も改正されました。
すなわち、平成26(2014)年2月27日から新たな断熱等性能等級を用いられる外皮平均熱還流率を採用すること共に、平成27(2015)年4月1日以降、性能基準で評価する場合には、従来の方法は廃止され、外皮平均熱還流率の基準のみとなります。
ただし、仕様基準(断熱材の早見表等)については、利用者の便宜を図るため、平成27(2015)年4月1日以降も、当分の間は、使用できることとされました。


5.まとめ

省エネ法に基づく省エネ基準は、他の法律においても省エネルギー性能を判断するための指標として用いられているため、省エネ法改正に伴う影響については留意が必要です。
特に、平成27(2015)年4月1日以降は、省エネ法以外でも従来の省エネ基準が使えなくなることが多くなります。新しい省エネ基準に基づく評価方法への準備を進めておくことが重要です。

建築認証事業本部 品質管理部 片野有一

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