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今 どう選ぶか 〜サステナブルな調達について

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「サステナブルファッション」という言葉をご存知でしょうか。
衣服は、機能性や価格、意匠といった要素で選択することが多いアイテムだと思いますが、昨今では、「原材料や製品をフェアトレードしているか」や、「オーガニック素材の活用やリサイクルのしやすさを考慮しているか」など、社会や環境に配慮した「サステナブル」という考えが、ファッションの要素の一つとして注目されています。多くの選択肢がある中でファッションを提供する事業者、そして消費者にも、「サステナブル」への共感が広がっているといえます。


サステナブル、つまり持続可能であるためには、例えばモノを提供する事業者であれば、原材料をどう継続的に入手できるかが重要です。質や量、価格といった条件はもちろんですが、社会的責任や地球環境への配慮もサステナブルであるために必要なのです。


どう選ぶか。いくつかの事例をもとにご紹介します。

■ ふたつの選択の指標-

今、事業者が調達方針を考えるにあたっては、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の調達方針とSDGs(持続可能な開発目標)が重要な鍵といえるでしょう。

東京大会では、「持続可能な調達コード」と、木材・農産物・畜産物・水産物・紙・パーム油についての調達基準が定められています。これらの調達基準は大会に直接関係する調達を行う事業者に求められているものです。しかし、直接の納入事業者に限らず、五輪開催地としてさまざまな事業者がこの考えを取り入れた調達方針の構築を行い、実行しています。それについて多くの発信がなされており、社会での調達意識の向上や強化につながっているように思います。

参考リンク:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会ウェブサイト「持続可能性に配慮した調達コード」

また、企業活動の選択で欠かせない指標のひとつが「SDGs」です。これは2015年の国連サミットで採択された国際目標で、2030年までに達成することを目指すものです。17のゴールと169の具体的なターゲットが示されています。SDGsへの貢献に向けて、すでに取り組みを開始している事業者も多いことでしょう。これらのゴールの多くに調達が関係します。モノの調達では、「12 つくる責任 つかう責任」「14 海の豊かさを守ろう」「15 陸の豊かさも守ろう」などが直接影響する内容といえます。

参考リンク:外務省ウェブサイト「JAPAN SDGs Action Platform - SDGsとは?」

■ 「よい農業」をどう選ぶか-

食品を扱う事業者は多いと思います。また、誰もが毎日食を糧にしています。つまり、業務に関係する仕入れや製造において、あるいは会社等の食堂で使用する食品、また消費者として食べる時など、様々な状況で多くの食品を選択しています。食品の中から農産物について取り上げてみます。

今最も動きが大きいのは「GAP」と呼ばれる認証制度を取得した農産物の調達です。GAPはGood Agricultural Practice(よい農業のしくみ)を評価する認証制度で、日本ではJGAP・ASIA GAP・Global GAPといった認証取得が加速しています。農林水産省の調査では、GAP認証を取得した青果物の出荷量は前年比1.8倍、穀物で1.7倍とのこと。また茶の認証取得も進み、業界推計では出荷量の20%がGAP認証を取得しているとの情報もあります。

2020東京大会では、持続可能性に配慮した農産物であることが調達基準として定められていますが、GAP認証を取得した農産物は適合するものとされています。また、GAP認証取得は、食料の安定確保・食品安全・労働安全などSDGsのターゲットにも広く貢献します。

小売店やメーカーが、仕入先に対してGAP認証取得を求めるケースは増加しています。調達側にとっては基準をクリアした原材料を使用することで、製品のクオリティの維持、また環境面・社会面への配慮の証明につながります。また、供給側にとっては第三者が証明するGAP認証取得をアピールすることで、競争力や優位性の強化につながります。

■ 紙を持続可能性で選択する-

東京大会では、以下のアイテムが紙の調達基準の対象です。

ポスター、チラシ、パンフレット類、書籍・報告書等、チケット、賞状、コピー用紙、事務用ノート、封筒、名刺、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、 ペーパーナプキン、紙袋、紙皿、紙コップ、ライセンス商品の外箱

2020年は、持続可能性に配慮した多くの紙製品が大会を支えることになりそうです。

紙の選択は、SDGsでも資源管理や製造への責任などのターゲットに関係します。「使い続けても森林を破壊することがない」木質由来製品の選択のために、適切な森林管理と加工流通を評価するFSC®認証、PEFC認証といった認証制度が日本では広まっています。

日本での森林資源の適切な調達推進のため、FSCジャパンと大手企業が協力して「FSC認証材の調達宣言2020」をつくりました。木材・紙パルプ・ダンボール・容器包装用紙等の「サステナブルな調達」がさらに加速されるものと思われます。

参考リンク:印刷業界ニュースNEWPRINET「FSCジャパン 大手7企業が紙製品のFSC認証材調達を宣言」
FSC® International Certification Centre in France
- FSC® Accredited under registration code FSC-ACC-020 - ©1996 Forest Stewardship Council A.C. -
The mark of responsible forestry

■ 世界での調達の動き-

サステナブルへの動きは、海外でも見られます。

フランスは、イタリア、ドイツに次ぐ有機農業大国です。そのフランスは、給食食材の有機比率を2022年までに50%へ向上させる法律を定めるとのこと。学校や省庁などの公共機関の給食にも適用されるもので、政府が有機食品導入を強力に支援する流れです。

参考リンク:サステナブル・ブランド ジャパン「仏、2022年までに給食食材の半分をオーガニックに」

ニュージーランドでは2019年末でレジ袋全廃とする法律施行が決定しましたが、それに先んじてレジ袋の使用をやめる動きが加速しています。また、包装材も再利用可能で生分解性の材質への変更、あるいは包装なしの陳列に向けて動いているとのこと。消費者に最も近い販売における動きは、消費者の意識にも大きく影響を与えることでしょう。

参考リンク:サステナブル・ブランド ジャパン「NZ大手スーパー、「レジ袋全廃」の動き加速」

国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)などが発表したSDGsの達成度ランキングによると、日本は昨年の11位から15位へ転落。理由の一つに、漁業資源の管理の得点減があるとのことです。魚を多く食する日本が、漁業資源の管理に貢献できていないのは、残念なことです。

参考リンク:サステナブル・ブランド ジャパン「SDGs達成度ランキング:日本は11位から15位に順位落とす」

サステナブルな調達に賛成する人は多いでしょう。では、それをどう行動に結び付けているでしょうか?声を上げ共感を広げるのもひとつの手段。そして何より、自らがサステナブルな調達を実践すること。企業でも学校でも個人でも、選択はそれに賛成の一票を投じることです。

ビューローベリタスは認証サービスを通じて、皆様のサステナブルな選択をサポートします。どうぞお問い合わせください。

システム認証事業本部  佐久間 智恵子

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