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LEED v4.1 「既存建物の運用・保守」O+M Beta版の運用実績データについて

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2018年3月に運用開始された《LEED v4.1 「既存建物の運用・保守」O+M Beta版》で、大きな配点となっている運用実績データについて紹介します。

背景と概要-

LEEDはUSGBCが開発し、2016年11月にLEED v4.0を本格的に運用しました。残念ながら、実積は(USGBCも認めていますが)期待したほどではありません。これを受けて、大幅変更を加えたのがここで紹介するLEED v4.1 O+M Beta版です。現在、v4.0と併用されています。

運用実績データについて-

建物入居後少なくとも1年が経過し、かつ下記(1)〜(5)の運用実績データ(図1:毎月のアンケートやエネルギーデータ)とアンケートを集計しているプロジェクトが審査対象になります。

(1) 消費エネルギーデータ

  • 総建物エネルギー消費量(電気・天然ガス・冷水・蒸気・燃料油・プロパンなど)の12か月分の実績値からのエネルギーパフォーマンススコアにより評価されます。
  • このエネルギーパフォーマンススコアは、温室効果ガス排出量とエネルギーの消費量により評価されます。
  • 測定はエネルギー供給会社(電気・ガス)のメーターで行います。
  • テナントを含むプロジェクトは、個別のテナント用メーターが必要になります。

(2) 水消費データ

  • 12ヶ月連続(1年間)毎月の水使用量を測定します。そのデータを所定のプログラムに入力し、プロジェクトのパフォーマンススコアを計算します。
  • 毎月の消費量は屋外、屋内や冷却塔などに設置したメーターの確認が必要になります。
  • 点をより多く獲得するためには、流量の少ない器具を採用するほか、潅水不要な植栽を積極的に植え、実際に運用することで獲得できます。

(3) 廃棄物発生量・分別量データ

  • 運用時の廃棄物(入居者から発生するごみ)発生量や分別したそれぞれの量で評価されます。
  • 廃棄物は最低でも混合紙・段ボール・ガラス・プラスチック・金属のそれぞれについて集計した一年間分の結果を回収業者からデータとして受領するか、実際に自ら監査し計量する(一年間に満たなくてもよい)方法があります。

(4) 建物利用者の交通手段アンケート

  • 建物利用者の交通調査を実施します(最低年1回)。そのデータをLEED計算プログラムに入力し、交通実績スコアを出します。
  • スコアは、建物アクセス(往復)に起因する二酸化炭素換算CO2排出量(CO2e)で換算されたプロジェクトの温室効果ガス排出量を評価します。つまり、マイカーよりも公共交通機関の利用、さらに自転車や徒歩等が好まれます。

(5) 建物利用者の室内環境満足度調査とTVOC・CO2測定

  • 年一回実施する室内環境に関する入居者満足度アンケートと計測値(CO2とTVOCの発生量)をLEED計算プログラムに入力し導き出されたパフォーマンススコアにより評価されます。 スコアの構成をみると入居者満足度アンケートの割合が半分を占めるため、いかに入居者から良い評価を受けるかがポイントです。

運用実績データを使って取り組む項目の配点は、100点満点中90点もあります。(図2)
また運用実績データから導き出されるパフォーマンススコアには最低点が設けられており、その点を超えないプロジェクトは、LEEDの認証を受けることができません。そのため、より良い結果を導くには、入居者(テナントや居住者など)や管理会社の協力が必ず必要になります。


建築認証事業本部 技術監査部  玉川 冬紀

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