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RBA監査の最新動向

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■ RBAとは-

主に大手電子機器・IT企業を中心とする127社(2018年9月時点)によって構成されるResponsible Business Alliance(以下、RBA)は、電子業界の製品製造過程やサービスにとどまらず、組織の企業倫理・CSRの向上を目指して設立されました。現在メンバー企業の年間売上は500兆円超にのぼり、600万人を雇用しています。日本からも6社がメンバー企業として加入しています(ソニー株式会社、株式会社東芝、千住金属工業株式会社、東京エレクトロン株式会社、コニカミノルタ株式会社、富士通株式会社)。

RBAが作成したRBA Code of Conduct(行動規範)では、電子業界のサプライチェーンにおいて労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って扱われること、さらに製造プロセスが環境負荷に対して責任を持っていることを確実にするための基準が定められています。行動規範は労働・安全衛生・環境保全・倫理・マネジメントシステムの5つのセクションで構成されていますが、労働セクションが監査における設問数の3割超を占めており、最も重要な分野と言えるでしょう。昨今、企業内部に潜む様々な労働問題を浮き彫りにし、労働者のあらゆる権利を守る行動規範の遵守を担保するため、RBAメンバー企業によるサプライヤーへの監査の受審要求が増加しています。

監査はValidated Audit Process (VAP監査:第三者監査)、Customer Managed Audit (CMA監査:第二者監査)、Auditee Managed Audit (AMA監査:第一者監査)の3種類に大別されます。VAP監査は第三者認証機関がRBAメンバー企業もしくはサプライヤー企業サイトを監査します。CMA監査はRBAメンバー企業がサプライヤー企業サイトを監査し、AMA監査はRBAメンバー企業が自社サイトを監査します。しかしながらVAP監査だけではなく、AMA及びCMA監査のいずれも、RBAメンバー企業は第三者認証機関に監査代行依頼をすることが可能です。

ビューローベリタスは、RBAの認定を受けた数少ない監査機関として、第三者の立場よりRBA行動規範への適合性を確認するRBA監査(以下、監査)を実施しています。

■ 最新動向-

創設当時の2004年と比較して、RBAメンバー企業の業種は多様化しており、現在の業種は17セクターに及びます。新たな加入メンバー企業の業界は電気電子業界にとどまらず、自動車業界の米・フォード社及びテスラ社、玩具業界のハスブロ社や小売のアマゾン社やウォルマート社なども加入を果たしました。なかでも自動車業界のサプライチェーンは膨大な数に上るため、監査の裾野も今後さらに広がりをみせるでしょう。またRBAプログラムを管理しているRBA職員数も大幅に増加し、今後サービスの拡大が期待されるところです。

VAP監査の実施件数は2010年には約100件でしたが、2017年は786件と約8倍に増加しています。実施件数の国別シェア1位は中国で、全体の57%を占めています。次いで2位の台湾が6%、気になる日本は米国に次ぐ10位で2%程です(出典:RBA Annual Report 2017)。また実際、監査でどのような指摘が出ているかをみると、不適合指摘トップは労働時間に関するもの、次いで非常時に対する備え、以下、職業上の安全、危険物質の順に続いています。昨今、日本でも過労の問題がよりフォーカスされ、ワークライフバランスという認識がより強化されています。RBA監査もこのような流れと無関係ではありません。

また2018年夏、東京でRBAアウトリーチングミーティングが開催されるなど、中国以外のアジア圏でもRBAの活動が活発になってきています。アップル社などを始め、RBAメンバー企業のサプライチェーンは日本にも多くのサプライヤー工場を抱えており、RBAの影響力は小さくありません。RBA基準が社会監査のゴールドスタンダードとして認知されつつあるため、今後さまざまな場所でRBAの名を聞くかもしれません。

■ RBA行動規範及び解釈ガイダンスが6.0.0版に-

2004年の行動規範第1版発行以降、平均で3年に1度のペースで改定が繰り返されてきました。解釈ガイダンスはほぼ毎年改定されています。2018年はガイダンスのメジャー改定が実施されました。発効日は2018年1月1日です。RBA行動規範の改定は、RBA内部の委員会の決定に則り遂行されます。メンバー企業の意向だけではなく、さまざまな国々の新たな法律を意識した要素が組み込まれるケースもあります。実際のVAP(Validated Audit Process)監査での監査項目数は85で改定前と比べ4項目減少し、5.1.1版に引き続き労働領域の割合が高くなっています。また、倫理の割合が相対的に減少しています。表1が領域ごとの監査質問項目数です。

表1
領域 監査質問数 割合
労働 27 32%
安全衛生 23 27%
環境 12 14%
倫理 8 9%
マネジメントシステム 15 18%
85 100%

■ 解釈ガイダンス6.0.0版改定の主なポイント-

主なポイントは以下のとおりです。

  • 妊婦及び育児中の労働者への配慮の項目を追加
  • トレーニングなど複数項目にわたるトピックをいくつかの項目に集約
  • その他重複している要素を集約

■ RBA行動規範についてより詳しく-

RBAの公式ウェブサイトでは、プログラムの詳細など、さまざまな情報が公開されています。
RBAウェブサイト(英語)
RBA行動規範解釈ガイダンス

システム認証事業本部 川手 洋明

【ビューローベリタスのサービス】
ビューローベリタスはRBAの認定を受けた監査機関として日本でRBA監査を実施しております。またRBAを含むサプライヤー監査に備えるGAP分析等の提供も行っています。本サービスはサプライヤーに対する顧客の要求事項が厳しくなっていくなかで、組織の現状把握やCSR競争力強化に役立ちます。さらにESG投資の対応の一環としてグループ会社、サプライヤーへの労働・労働安全衛生・環境・倫理・マネジメントを評価できます。ますます強まるグローバル化の波に上手く対応するために弊社のサービスを活用してはいかがでしょうか。

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