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自家発電設備の負荷運転について

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ビューローベリタスは、建築物の安全性・信頼性を確実なものにするため、品質、労働安全衛生規制への適合性を評価する幅広いサービスを提供しております。
新たに追加された防火設備定期検査業務を含む建築基準法第12条定期報告業務をはじめ、消防法の規定に基づく防災管理定期点検報告業務、防火対象物定期点検報告業務及び消防用設備等点検報告業務等を行っております。
今回は、消防用設備等定期点検制度でもお問い合わせの多い自家発電設備の負荷運転についての基本を解説します。


■ 消防法における自家発電設備-

消防法における「非常電源(自家発電設備)」は消防用設備への電源供給が途絶えた場合の非常用電源です。
消火栓、スプリンクラー、消防排煙設備などに接続し、商用電源が遮断されても、消防用設備が適切に動作できるよう、電源を供給する設備です。
消防法では「非常電源」、建築基準法では「予備電源」と定義されております。


■ 負荷運転の実施目的-

自家発電設備は、消防用設備等と同様に消防法第17条の3の3の規定により定期的な点検および消防機関への報告が義務付けられており、1年に1度の総合点検時に負荷試験を実施することが求められています。
自家発電設備に電力を必要とする機器を接続し、それらに電力を供給して稼動させる際に自家発電設備に異音や漏油等の異常がみられないかを確認するとともに、排出系統内の未燃焼燃料を除去することができます。

点検基準(昭和50年10月16日消防庁告示第14号)

  • 運転状況
    漏油、異臭、不規則音、異常な振動、発熱等がなく、運転が正常であること。
  • 換気
    給気及び排気の状況が適正であること。

点検要領(平成14年6月11日消防予第172号)

  • 運転状況
    擬似負荷装置、実負荷等により、定格回転速度及び定格出力の30%以上の負荷で必要な時間連続運転を行い確認する。
  • 換気
    定格出力の30%以上の負荷運転中、発電機室内又はキュービクル内の換気の状況を室内温度等により確認する。
乾式金属抵抗装置/水抵抗装置

(出展元:総務省消防庁ウェブページ


■ 防災の要 =自家発電設備= いつでも動くと思っていませんか?-

災害などによる停電があっても、消防設備などの重要設備に電力を供給する目的で設置されている自家発電設備。しかし、普段は動かさない設備なので、動くかどうかを定期的に確認することが重要であることは誰でも理解しています。
しかし、「必要時に」「必要な電力を」正しく発電するかどうかを確認していないのが現状です。いざというときに動かなければ、発電機設置の目的を果たすことはできません。

「エンジンがかかったから動く」

「エンジンがかかる」から動く。これは大きな間違い。エンジンがかかっても、発電するかどうかは別です。発電機が「動く」ことは、「発電できる」こと。エンジンがかかっただけでは、発電していない状態なので、発電できるかどうかは確認できていないのです。

「定期点検をやっているから安心」

定期点検を実施していても、動くかどうかはわかりません。いつも動かない設備なので、見えないところまで経年劣化が進んでいる可能性もあります。定期点検に加え、発電性能を確認しなければ、必要な電力を正しく発電できるとはいえないのです。

「定期点検時に30%負荷運転を実施している」

30%の負荷運転(*1)の実施は、法令上、最低限の負荷運転です。特に、自家用発電設備は消防設備等に電力供給するために設置されていますが、ポンプなどの始動電流(*2)に耐えられるかどうかまでは確認できていません。
また、始動だけの点検の場合、未燃焼燃料やカーボンが蓄積され、故障や発火などの原因になります。

(*1) 負荷運転:発電機に発電させること。発電設備に接続されている設備を使って実際に発電させることを「実負荷運転」といいます。
(*2) 始動電流:動力に電源投入したときに流れる、定常状態よりもはるかに大きな電流。突入電流ともいいます。


■ 今後の検討-

前述のとおり、現状、負荷運転は毎年の総合点検時に実施するべきとされていますが、分解整備点検(*3)と負荷運転を総合点検時に一度実施すれば、毎年の負荷運転を一定年数省略可能とするかどうかが今後の検討課題となっています。(平成29年6月23日総務省消防庁予防課設備係「消防用設備等点検報告制度の現状とこれから」より)

(*3) 分解整備点検とは、原動機及び発電機の内部点検、発電装置の冷却水、潤滑油の性状分析、経年劣化が進んだ部品の交換等を実施する点検。


今回は、自家発電設備の負荷試験についての基本を解説しました。
詳細な対応方法については、物件毎に変わってきます。
防火設備定期点検等含め、お気軽にお問い合わせください。


インサービス検査事業本部  伊藤 博之


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