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省エネ適判の完了検査について

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1.完了検査の手続きについて-

建築物省エネ法に適合義務がある場合、確認申請時に省エネ適判の適合通知書が必要ですが、完了検査時には省エネ適判時の計画書についての検査も必要です。計画時から省エネ適判に係る項目に変更が無い場合は計画時のままで検査を受けることになりますが、軽微変更が発生すると、軽微変更の内容に応じて必要書類ないし再度適合判定を受け、それを踏まえて完了検査を受検しなくてはなりません。
省エネ適判の軽微変更には3種類あり、ルートA〜Cに分けられます(図1)。ルートA及びBの場合は完了検査申請時に「軽微な変更説明書」及び変更図書等を提出することにより完了検査を受検することができます。ルートCの場合は完了検査申請前に軽微変更該当証明申請を行い、その適合判定を受けます。


<図1>

完了検査の手続き

2.軽微変更について-

省エネ適判の軽微変更ルートA〜Cは以下のように規定されます。

(1) ルートA 「省エネ性能が向上する変更」
  • (a) 建築物の高さ、もしくは外周長の減少
  • (b) 外壁、屋根もしくは外気に接する床の面積の減少
  • (c) 空調負荷の軽減となる外皮性能の変更
  • (d) 設備機器の効率向上・損失低下となる変更
  • (e) 設備機器の制御方法等の効率向上・損失低下となる変更
  • (f) エネルギーの効率的利用を図ることのできる設備の新設・増設
(2) ルートB 「一定範囲内の省エネ性能が減少する変更」
計画変更前の省エネ性能が省エネ基準を1割以上上回り(BEIが0.9以下)、変更後の省エネ性能の減少が1割以内に収まるものとして以下に該当する変更
  • (a) 空気調和設備(以下以外は性能が向上する変更)
     ※ イ) とロ) の両方に該当する場合はルートCとなります。
     イ) 外壁かつ窓の平均熱貫流率について5%を超えない増加
     ロ) 熱源機器の平均効率について10%を越えない低下
    (b) 機械換気設備(以下以外は性能が向上する変更)
     ※ イ) とロ) の両方に該当する場合はルートCとなります。
     イ) 送風機の電動機出力について10%を越えない増加
     ロ) 計算対象床面積について5%を超えない増加(室用途:駐車場、厨房)
  • (c) 照明設備(以下以外は性能が向上する変更)
     単位床面積あたりの照明器具消費電力について10%を越えない増加
  • (d) 給湯設備(以下以外は性能が向上する変更)
     給湯機器平均効率について10%を越えない低下
  • (e) 太陽光発電
     ※ イ) とロ) の両方に該当する場合はルートCとなります。
     イ) 太陽電池アレイのシステム容量:2%を超えない減少
     ロ) パネルの方位角について30度を越えない変更かつパネルの傾斜角について10度を越えない変更
(3) ルートC 「再計算によって基準適合が明らかな変更」
※以下の計画の根本的変更を除く。なお以下の(a) 〜(c) が計画変更に該当します。
  • (a) 建築基準法上の用途の変更
  • (b) モデル建物法を用いる場合のモデル建物の変更
  • (c) 評価方法の変更(標準入力法⇔モデル建物法)
     ※ルートCに該当:
     その内容が判る図書を所管行政庁等に提出し、「軽微変更該当証明書」の交付を所管行政庁等より
     受ける必要があります。物件の規模や用途にもよりますが、その期間は概ね計画時と同程度です。

3.完了検査時の検査項目及びその方法について-

完了検査時に省エネ適判に係る項目も検査されます。検査される項目は「省エネ計算時に計上した設備」及び「省エネ計算として計上されるべき設備」です。計画時から完了検査時までの期間に変更がなされ、その変更が軽微変更に十分に盛り込まれていない場合に、「計上されるべき設備」が現場で見受けられる場合は不適合となります。
検査は以下の方法で行われます。

@目視による立会確認
A計測等による立会い確認
B施工計画書等・試験成績書等による確認

「@ 目視による立会い確認」及び「A計測等による立会い確認」とは、検査員が現場と計算書の照合を行う方法です。「B施工計画書等・試験成績書等による確認」とは現場作成の施工計画書や各種試験成績書、納品書等と計算書の整合を行う方法です。特に、外皮の断熱状況、給湯設備の保温状況、各種制御設備は現場での目視確認が難しいため、「B施工計画書等・試験成績書等による確認」による検査が行われることが多いです。
昨今の完了検査で不適合となる指摘で特に多いのが「外皮計算でブラインドを計上していたが現地には設置されていない」、「計算書に計上される制御(明るさ制御等)が無い」、「計算書に計上されていない給湯設備がある」などです。元々計上される設備が無い、計上されるべき設備が計上されていないなどの場合に不適合となります。完了検査で不適合となった場合、再度軽微変更該当証明申請を行い、完了検査を受検することとなりますのでご注意ください。


<図2>

確認書類例:施工計画書

<図3>

確認書類例:ガラスラベル

<図4>

完了検査の手続き

完了検査で不適合となる要因はいくつか挙げられますが、施工者の判断で変更した内容が設計者に伝わっていない、完了検査段階で最終的な図面ができていない、などが多いように見受けられます。事前に変更内容を確認し、再度省エネ計算を行った場合においても、その計算をした図面に現場と差異があれば指摘になります。


建築認証事業本部 駒形 直彦


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