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強くて弱いDNA

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ビューローベリタスの提供する食品DNA検査には次のような項目があります(表1)。


(表1)検査項目一覧

遺伝子組み換え食品検査(GMO検査) 農産物や加工食品中の遺伝子組み換え体の含有の有無を検査します。
米品種識別DNA検査 精米またはおにぎり等の炊飯米の検査やコシヒカリ新潟BL品種の判別検査を実施しています。
農産物品種識別検査 小豆、白インゲン豆、金時豆、大豆について品種識別検査を実施します。
畜産物・魚介類DNA識別検査 畜水産物の銘柄や表示品種の科学的検証、また個体識別検査など、肉類・魚類の品種識別関連検査を各種ご用意しています。
動物由来物質含有検査 BSE対策において、飼料中の動物由来体含有の有無を検査します。
肉種判別検査 遺伝子分析法による肉種判別検査を行い、原材料表示の適合性に対する科学的検証を行います。

 

いずれの検査でも、先ずDNAを抽出しなければなりません。検体が大豆やとうもろこしの種子をそのまま乾燥させただけのものであれば、DNAがほぼ本来の情報を持っている状態から試験を着手できるのですが、缶詰やレトルト食品など加工済みのものにはDNAが既に分解して壊れてしまっているものがあります。では、どのような処理によってDNA情報が失われてしまうのでしょうか。

 

■ DNAの弱点 -

DNAはタンパク質に比べると熱や乾燥には強いですが、紫外線や酸、発酵には弱く、これらにより分解させられてしまいます。またDNAは水溶性であるため、加工の過程で煮沸したり水にさらしたりすると、溶けて流れ出してしまいます。
例えば、大豆種子を1粒丸ごと水で洗うとき、まだDNAは細胞(壁)に守られていますから影響はありませんが、これを水煮にすると熱や圧力で壊れた細胞(壁)の隙間からDNAが溶け出し始めます。しかし、豆自体の形が保たれていれば、表層より下の細胞にあったDNAはそう簡単には移動できないので、まだ豆の中心部にはDNAが残っていると考えられます。ですが、これを更に味噌や納豆に加工してしまうと、せっかく残ったDNAも発酵の過程で分解されてしまい、DNAの残存量はまた減ってしまいます。
実際にビューローベリタスで分析した結果の一部を見てみましょう(表2)。

 

(表2)大豆種子に含まれるDNAを100%(理論値)としたときの回収率

大豆種子 脱脂加工大豆 豆腐 豆乳 味噌
実測値による回収率(検出量) 80〜120* 20〜90 40〜70 20〜40 0.01〜


DNAの分解が進むほどに、試験での検出は困難になります。検体中から正常な(比較的分解されていない)DNAがほとんど検出できない、または全く検出されない場合、検査項目に対する報告は「検知不能」となります。
経験則からすると大豆のDNAは収量が多いので、加工されていても検出されやすい作物ではありますが、それでも味噌や納豆では「検知不能」となるケースは出てしまいます。

 

以上から、加工のされていない原料に近い試料ほど、本来のDNA情報を反映した結果が出せることがイメージできたのではないでしょうか。

 

食品検査事業部 西澤さつき


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