Business Vision

新生ジャパンディスプレイを支える隠れた武器
取引先の信頼獲得と社内活性化のために
ISO27001を取得

株式会社ジャパンディスプレイ

株式会社ジャパンディスプレイ
(東京都港区)

http://www.j-display.com/


PDF版はこちら PDF


■ 日本のディスプレイを世界へ -

ジャパンディスプレイ(以下、JDI)は、ディスプレイの開発・設計・製造および販売を行い、世界中の市場に届けているグローバル企業である。同社の得意とするのは、LTPS(低温ポリシリコン)液晶ディスプレイで、この分野でFULL ACTIVE™製品を立ち上げ拡販に取り組んでいる。こうした製品品質への高い信頼性をもとに、JDIはハイエンドスマートフォン向けおよび車載用ディスプレイや反射型ディスプレイ、高精細ノートPC向けディスプレイなど、多彩な製品の開発と販売を手掛けてきた。
一方で、スマートフォン市場では、OLEDディスプレイへの注目も高まっている。そこでこうした市場の変化に対応すべく、高効率な生産方法を用いた蒸着式OLEDの開発にも積極的に取り組み始めている。
さらに、日々めまぐるしく変化している市場と取引先の要望に応えるために、構造改革を含めた企業体質の根本的な変革にも着手し、強い収益体質の実現を目指していることも、特筆すべき点だ。


■ 構造改革を支えるISO27001 -


ISO27001認証取得に最初から関わってきた小田原俊一さん

これらが現在JDIを取り巻く状況なのだが、この状況下で2017年9月、同社は情報セキュリティマネジメントシステムのISO27001を取得した。
ISO27001はIT企業や情報企業で取得されることの多いシステム認証だが、それをメーカーである同社が取得した背景には、今後社運をかけて行うさまざまな開発にあたり情報セキュリティを確固としたものにしようという強い意志が垣間見える。「顧客情報及び自社情報をしっかりと保全する態勢が構築・維持できていることをISMS認証取得で証明することにより、自社の強みとするという判断になりました」という、情報システム統括部情報システム部で事務局スタッフの小田原俊一さんの言葉にもそれが伺える。

そのような中ISO27001を取得することでトップと事務局が目指したことは大きく3つある。まず、セキュリティ要件を設けてISO27001の厳しい要求事項に応える技量を備えること。次に認証機関の審査を受けて、今まで見えていなかった不適合を是正すること。そしてそれらによって従業員のセキュリティへの意識が高まることの3点である。
「これまでにISO9001と14001を取得していてISO慣れしていたはずでしたが、今回は難しさと緊張感が全く違いました」と小田原さんと一緒に事務局を運営し、情報処理安全確保支援士(登録情報セキュリティスペシャリスト)でもある林徳樹さんは、ISO27001のレベルの高さを振り返る。


■ 混乱や手探りも肥やしにする -


情報処理安全確保支援士でもある林 徳樹さん

その「難しさ」を具体的にいうと、「まず取り扱うものが情報という今までにないものなので、取り扱うための規則(要求事項)が全く違うこと。そしてさらにハードルを上げたのは、従来の規則との折り合いをつける必要があったことでした」と林徳樹さん。
当然のことだが、同社にはすでに情報セキュリティのためのオリジナルルールが存在していた。それをISO27001の要求事項に合わせて作り直す必要も出てきたのだ。


事務局のまとめ役、國光明洋さん

いちばん懸念されたことは、従来のルールに慣れている従業員が新しいルールとの間で混乱を起こしてしまうことだった。特に工場においてはルールづくりが本社と違い書類だけでなく設備や施設にも及ぶので複雑になり、マニュアルづくりも従業員への気遣いも大変だったという。
それを踏まえて鳥取工場に所属しながら事務局をつとめる赤島史絵さんは、工場における様子を次のように語る。「真面目な鳥取県の県民性もあって、とまどいながらも現場の担い手として勉強しなくてはいけないという気運が高まっています。確かに中には面倒と感じている人もいるかもしれませんが、それよりは前向きな人が多いように感じます」。
情報システム部の國光明洋さんも、「混乱や手探りもセキュリティへの意識を高める肥やしになるはずだし、そうすることでISO27001の取得が本当に生きるのだと思います」と言う。


■ 3年で全サイト取得を目指す -


海外拠点担当の林 吉彦さん

同社におけるISO27001取得は3年計画で進められている。1年目の今回は本社と国内の一部の工場で、2年目は残りの国内工場と海外拠点1箇所で、そして最終年となる3年目は残りの海外拠点のすべて、という計画だ。
「本当に大変になるのは来年から」というのは、海外拠点担当の林吉彦さん。林さんはすでに準備を始めているが、言葉の壁やその国独自のルールに、早くも頭が痛いという。しかし逆にいうと、国際認証を取得するということは、こうした国ごとのハードルを低くすることでもある。またディスプレイビジネスにおいては、製造面でも販売面でも世界をターゲットにしなくては勝ち抜いていけない。


紅一点の赤島史絵さんは鳥取工場に勤務

「その時にグローバルなISO27001認証は必ず強力な武器になると感じています」と林さん。ビューローベリタスを選んだ理由も世界に通じるグローバルな審査機関だったことが大きいという。
液晶に加えて有機ELでも世界のトップを目指すJDIの今後を、ISO27001認証はきっと陰日向に支えることだろう。

(2017年12月21日取材)



- ビューローベリタスのサービス:
  ISO27001(情報セキュリティ)

www.bureauveritas.jp

© Bureau Veritas Japan