Business Vision

社内からの声と取引先からのリクエストの両方を受けて、
AIBフードセーフティシステムに加えて
FSSC22000へとパワーアップ

株式会社湖池屋
(埼玉県加須市・京都府南丹市)

http://koike-ya.com/


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製造ラインの安全性に特化した管理システムAIB

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ユニークなポテトチップスやコーンスナックで知られる湖池屋。創業者の小池和夫氏が、偶然口にしたポテトチップスのおいしさに感動して、「こんなに美味しいものを、もっとたくさんの人に食べさせたい」と1953年に創業した老舗メーカーだ。
創業のきっかけが「美味しさ」だっただけに、商品の味と品質にはこだわり続け、ポテトチップスは国内産のジャガイモだけを使っている。
そんな同社が2008年から約10年間にわたり、製品の安全性のよりどころとしてきたのは、AIBフードセーフティー監査・指導システム(以下AIB)であった。
AIBとは、各国の法規やガイドラインを基にした国際検査統合基準に則り、現場にてPRP(前提条件プログラム)の有効性を重点的に検査する、米国製パン研究所が確立した管理システムであり、その特徴は、徹底的に現場を検査し、製造工程の状態とPRPを評価し、それに対するアドバイスを行う「現場重視」のシステムである。

「実は、2008年に弊社が食品安全を管理するシステムを導入するにあたって、ISOとAIBのどちらを選ぶかという論議があったのです」というのは石井直二京都工場長。「そして、議論の結果、まずは現場から固めていこうと、現場重視のAIBを選びました」。
AIBシステムの下で、HACCPの導入とともに、1996年から取り組んで来た5Sをシステム化することでPRPを整備した。一方、マネジメントシステムとして、以前からTPM(Total Productive Maintenance)にも取り組んでいた。前者をJIB(一般社団法人パン技術研究所)が監査し、後者を同社のトップたちが評価するというかたちで工場の管理を行ってきた約10年間だった。


いよいよ次のステップへ〜工場の食品安全から、会社全体の品質管理へ〜

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「近年、大手メーカーや料亭、名だたるフードチェーンによる食品偽装や事故など、世の中を騒然とさせる事件が非常に増えて来ました。この状況下、2015年6月に、とある外資系お取引先様からGFSI(世界食品安全会議)が承認する国際水準の食品安全認証規格を取得してほしいというリクエストを頂きました」(八代統括事務局)。
このリクエストは、この一社だけに留まらず、次々と来ることが予測された。「となれば、言われる前に取得して機先を制するのが得策だということになったのです」(石井工場長)。それに加えて、FSSC22000 認証を取得していれば、取引先の監査を減らせるのではないかという目論見もあった。
こう書くと、同社のFSSC22000認証取得はいかにも外圧や便宜的な理由によるものに思えるが、「実は、取得のいちばん大きな原動力になったのは、工場や本社の食品安全委員からの『もう少しステップアップしてみたい』という前向きな気持ちだった」と、八代、石井両氏は言う。
AIBがそろそろ10年になろうとする中で、「いまこそ新たな第三者監査により、フードチェーン全体やマネジメントシステムを評価してもらったほうがいいのではないか」といった声が起こってきていたのだ。
食品安全委員会からあがったこの声に「機は熟した」と判断したトップは、FSSC22000認証の取得を決断。2016年5月にキックオフし、1年後の2017年5月に認証取得に至った。


FSSC22000が生んだ社内の一体感

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ところで、FSSC22000認証を取得して、社内はどのように変化したのだろう?
「分かりやすくいえば風通しがよくなりました」と石井氏は言う。「以前は、工場は工場のことだけ、本社は本社のことだけを意識して仕事をしていたのですが、FSSC22000では、フードチェーン全体のトレーサビリティやコミュニケーションが要求されるので、製造本部だけではなく、本社のマーケティング本部、生産本部、品質保証室やお客様センターなど、ほぼすべての部署と絡まざるをえません。するとおのずとお互いに顔も業務内容も分かり合う関係になります」。
石井氏も「それまで、『これは誰かがどこかでやっている仕事』という感じだったものが、どの部署がどんなふうに行っているかが分かり、その大変さも実感できて連帯感や一体感が出ましたし、自分のしている業務の位置付けや責任を俯瞰して見られるようにもなりました。引いてはそれが、より強い食品安全に対する関心を従業員に持たせているようです」と言う。
またそれまでは3工場で少しずつ違っていた食品安全マニュアルが統一され、各工場のレポートを保管するサーバーも一本化された。これで以前は見えなかった他の工場の様子もネットを通してすぐに分かるようになり、風通しはますます良くなった。
一方、現場では従業員に向けて毎月15分程度実施している社内の食品安全セミナーで、「最近では、受講者から逆に質問や指摘が来るようにもなっているんですよ」と石井氏はその変化を喜ぶ。中でも食品アレルギーに対する認識が変わったことが見て取れ、「アレルギーは人の命に係わる問題なので、この変化はとりわけ良い傾向だと思っています」と言う。
さらに、FSSC22000認証は同社のこれからにも大きく関わっている。というのは、今後、同社が目指すのは「高付加価値化」の方向だからだ。そこには商品そのものだけでなく、それを取り巻くさまざまなモノやコトについて、高いレベルでの品質が求められるだろう。それにFSSC22000認証が少なからず寄与することは明らかである。そして「業界を一歩リードするメーカーになりたい」と両氏が声を揃えるこのビジョンにも、FSSC22000は的確で有効に作用することだろう。


(2017年10月4日取材)


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