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EICC®監査の最新動向〜EICC行動規範解釈ガイダンスの改訂


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EICCとは

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大手電子機器・IT企業を中心とする114社(2016年12月時点)によって構成されるElectronic Industry Citizenship Coalition(電子業界CSRアライアンス/以下、EICC)は、電子業界の製品製造過程やサービスにとどまらず、組織の企業倫理・CSRの向上を目指して設立されました。現在メンバー企業の年間売上は約540兆円にのぼり、600万人を雇用しています。日本からも6社がメンバー企業として加入しています(ソニー株式会社、株式会社東芝、千住金属工業株式会社、東京エレクトロン株式会社、コニカミノルタ株式会社、富士通株式会社)。
EICCが作成したElectronics Industry Code of Conduct(電子業界行動規範/以下、EICC行動規範)では、電子業界のサプライチェーンにおいて、労働環境が安全であること、そして労働者が敬意と尊厳を持って扱われること、さらに製造プロセスが環境負荷に対して責任を持っていることを確実にするための基準が定められています。EICC行動規範は労働、安全衛生、環境保全、倫理、マネジメントシステムの5つのセクションで構成されていますが、労働セクションが監査における設問数の3割超を占めており、最も重要な分野と言えるでしょう。昨今、企業内部に潜む様々な労働問題を浮き彫りにし、労働者のあらゆる権利を守る行動規範の遵守を担保するため、EICCメンバー企業によるサプライヤーへの監査の受審要求が増加しています。
監査はValidated Audit Process (VAP監査、第三者監査)、Customer Managed Audit (CMA監査、第二者監査)、Auditee Managed Audit (AMA監査、第一者監査)の3種類に大別されます。VAP監査は第三者認証機関がEICCメンバー企業もしくはサプライヤー企業サイトを監査します。CMA監査はEICCメンバー企業がサプライヤー企業サイトを監査し、AMA監査はEICCメンバー企業が自社サイトを監査します。しかしながらVAP監査だけではなく、AMA及びCMA監査のいずれも、EICCメンバー企業は第三者認証機関に監査代行依頼をすることが可能です。
ビューローベリタスは、EICCの認定を受けた数少ない監査機関として、第三者の立場よりEICC行動規範への適合性を確認するEICC監査(以下、監査)を実施しています。


最新動向

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創設当時の2004年と比較して、EICCメンバー企業の業種は多様化しており、現在の業種は17セクターに及びます。米・フォード社及びテスラ社など、自動車業界のサプライチェーンは膨大な数に上るため、監査の裾野も今後さらに広がりをみせるでしょう。新たな加入メンバー企業の業界は自動車業界にとどまらず、玩具業界のハスブロ社も加入を果たしました。またVAP監査スキームを管理している委託会社も刷新され、より良いサービスが期待されるところです。
VAP監査の実施件数は、2010年には約100件でしたが、2016年は約538件と5倍に増加しています。実施件数の国別シェア1位は中国で、全体の約50%を占めています。次いで2位マレーシアが8%、気になる日本は10位で2%程です(出典:EICC Annual Report 2016)。


EICC行動規範解釈ガイダンスが5.1.1版に

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2004年の行動規範第1版発行以降、平均で3年に1度のペースで改訂が繰り返されてきました。解釈ガイダンスはほぼ毎年改訂されています。2017年はガイダンスのマイナー改訂が実施されました。審査適用発効日は2016年2月15日です。EICC行動規範の改訂は、EICC内の委員会の決定に則り遂行されます。メンバー企業の意向だけではなく、様々な国々の新たな法律を意識した要素が組み込まれるケースもあります。実際のVAP(Validated Audit Process:行動規範適合監査)監査での監査項目数は89で改訂前と同じです。5.1版に引き続き労働領域の割合が高く(約31%)なっています。表1が領域ごとの監査質問項目数です。

表1

領域 監査質問数 割合
労働 28 31%
安全衛生 22 25%
環境 14 16%
倫理 10 11%
マネジメントシステム 15 17%
89 100%


解釈ガイダンス5.1.1版改訂の主なポイント

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主なポイントは以下の通りです。
(1) A2.3(若年労働者):夜間労働定義明確化
夜間労働とは「午後10時から午前7時までの連続した7時間」であるとの明確化

(2) B2.2(緊急時への備え)
旧版では消火器、火災探知機、煙探知機、アラームの防火器具点検頻度は全て最低月次でしたが、新版では消火器及び煙探知機のみ月次とし、他は法令、製造元もしくは保険要求事項によるとなりました。
(3) B2.4(非常時への備え)
非常口に備え付けが要求されている「パニックハードウェア」の定義がUL305「standard for panic hardware」
規格であると明記。防火扉の場合はUL10C「standard for positive pressure fire tests of door assemblies」になります。

(4) B2.5(緊急時への備え)
旧版の「直近の避難訓練後、離職率20%以上に達した場合には避難訓練再実施」の要求事項は削除
(5) B7.2(社員寮)
「寮」は借り上げ社宅を含む事が明記されました。
(6) D7.1(3TG=紛争フリー鉱物)
下記の内容が追加されました。
● 3TG方針制定日を明示する
● 責任者(シニアマネジメント)任命
● 人員の年次トレーニング、リソースの提供
● サプライチェーンリスクアセスメント
● 3TGサプライヤーの精錬所を識別する
● 最低5年間の3TGデューデリジェンス記録の保持
● サプライヤーが3TGリスク回避をできなかった場合は契約を見直す

以上、来年の行動規範メジャー改訂を控え今年はマイナー改訂にとどまっている事が感じられる内容です。


解釈ガイダンス5.1.1版改訂の主なポイント

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EICCの公式ウェブサイトでは、プログラムの詳細など、様々な情報が公開されています。
EICCウェブサイ http://www.eiccoalition.org/
EICC行動規範解釈ガイダンス https://eiccoalition.sharefile.com/share?#/view/s2bfe854a48e49dcb

システム認証事業本部 川手 洋明



【ビューローベリタスのサービス】
弊社はEICCの認定機関として日本を含むアジア各国でEICC監査を実施しております。またEICCを含むサプライヤー監査に備えるGAP分析等の提供も行っています。本サービスはサプライヤーに対する顧客の要求事項が厳しくなっていく中で、組織の現状把握や組織のCSR競争力強化に役立ちます。さらにESG投資の対応の一環としてグループ会社、サプライヤーへの労働・労働安全衛生・環境・倫理・マネジメントを評価できます。ますます強まるグローバス化の波に上手く対応するために弊社のサービスを活用してはいかがでしょうか?


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