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食肉のおいしさに関する対比評価サービスについて



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ビューローベリタス 食品検査事業部では、市販の食肉から構築したデータベースを基に、食肉のおいしさに関わる対比評価サービスを行っています。対比評価サービスの流れについて、豚肉を例にご紹介します。


市販の豚肉から構築したデータベース

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豚肉のおいしさを評価する指標として、うま味成分となるアミノ酸量(1.参照)、食感に関わる噛み切り硬さや柔軟性等(2.参照)、ジューシーさに関わる加圧保水性や加熱損失等(3.参照)、脂・香り成分となる脂肪酸組成(4.参照)などが挙げられます。市販の豚肉(輸入豚、国産一般豚、国産銘柄豚、国産黒豚)からこれらのデータを蓄積、データベースを構築しています。

ある検体を例に取って、各評価項目についてご説明します(参考例:輸入豚肉平均を100とした場合の相対比較。分析は可食部100g中の各種成分データ)。


1.うまみ成分の評価

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うまみ成分の評価は、豚肉の赤身部より検出される各種アミノ酸量を基に行っています。アミノ酸によって形成されるタンパク質自体に味はありませんが、遊離アミノ酸にはそれぞれ味があります。ビューローベリタスでは、甘味に関与するアミノ酸としてアラニン及びグリシンの量を、旨味に関与するアミノ酸としてグルタミン酸及びアスパラギン酸の量を、コク・まろやかさに関与するアミノ酸としてペプチド構成アミノ酸総量を、風味・旨味に総合的に関与するアミノ酸として遊離アミノ酸総量を指標としています。


検査項目

相対数値

コメント

甘味アミノ酸(アラニン+グリシン)

135

大きい程、肉の甘味にプラス

うま味アミノ酸(グルタミン酸+アスパラギン酸)

188

大きい程、肉のうま味にプラス

遊離アミノ酸総量

401

風味・うま味にプラス

ペプチド構成アミノ酸総量(コク・まろやかさ)

167

コク・まろやかさにプラス


2.食感の評価

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食感の評価では、「噛み切り硬さ」、「しなやかさ・柔軟性」、「歯ごたえ・噛みごたえ」、「もろさ」の4項目を指標としています。これらの評価にはサンプルの採取部位が重要であり、「家畜改良センター 技術マニュアル 21『食肉の理化学分析及び官能評価マニュアル』」の方法を参考に測定部位のサンプリングを行っています。採取したサンプルはテンシプレッサーを用い、試料の粘弾性や人が奥歯で咀嚼するときの動きを考慮に入れ、食肉の軟らかさ、柔軟性、噛みごたえ及びもろさの測定を行っています。


検査項目

相対数値

コメント

噛み切り硬さ

101

小さい程、やわらかい

しなやかさ・柔軟性

83

大きい程、しなやか

歯ごたえ・噛みごたえ

84

大きい程、噛み切りにエネルギーを要する

もろさ

108

大きい程、もろい


3.ジューシーさの評価

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ジューシーさの評価では、「加圧保水性(肉汁保持力)」、「圧搾肉汁率」、「加熱損失」の3項目を指標としています。加圧保水性とは、肉をろ紙で挟んで加圧したときに広がる肉汁面積と肉片面積から算出した水分含量です。圧搾肉汁率とは、加圧により溶出する肉汁量です。これらの数値は、食肉が生の状態において肉汁を内部に保持する量の目安となります。一方、加熱損失とは、食肉をビニール袋等で包み熱水に浸し排出された肉汁の割合を示したものです。加熱損失が大きいほど、調理時にタンパク質や脂質などが多く溶出される傾向にあります。


検査項目

相対数値

コメント

加圧保水性(肉汁保持力)

103

生の状態での肉汁の保持力

圧搾肉汁率

101

加圧後の多汁性

加熱損失

111

加熱調理時の肉汁損失率


4.脂・香り成分の評価

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脂・香り成分の評価では、脂肪融点や総脂質量の他に、豚肉の赤身部より検出される脂肪酸の組成比率を用います。様々な脂肪酸の組成比の中で、特に脂の香り・甘味にプラス要素となるオレイン酸、パルミチン酸及びステアリン酸、食味にマイナス要素となるリノール酸の比率にターゲットを絞って食味の評価を行っています。


検査項目

相対数値

コメント

脂肪融点

92

脂の硬さ、口溶け、舌触りに影響

総脂質(赤身中)

56

脂肪交雑と正の相関

飽和脂肪酸

103

脂の香りにプラス

不飽和脂肪酸

99

多価不飽和脂肪酸

102

多い程、食味の総合評価にマイナス

オレイン酸

101

脂の香り、甘みにプラス

パルミチン酸

100

脂の香り、甘みにプラス

ステアリン酸

105

脂の香り、甘みにプラス

リノール酸

103

多い程、食味の総合評価にマイナス


5.対比評価結果の報告書について

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ビューローベリタスでは、1〜4までの結果を文面で記載するとともに、お客様からご指定頂いた項目(もしくは当事業部にて変化の大きい項目を選択)について、グラフ化し報告書を作成しています。
下は、輸入豚肉の平均値を原点におき、Y軸をペプチド構成アミノ酸総量、X軸を遊離アミノ酸総量とした報告書グラフの例です。検体は風味・うま味及びコク・まろやかさについて、輸入豚肉平均、国産一般豚肉平均、国産銘柄豚平均及び国産黒豚平均より良好であると確認できます。




おいしさの評価は、食べ物の見た目、食感、味、香りといった人の感覚による官能評価が一般的ですが、成分の実測値によってもおいしさの比較が可能です。是非一度お試し下さい。


食品検査事業部 山岸 亨


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ビューローベリタスジャパン(株) 食品検査事業部
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