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遺伝子組換えパパイヤ検査について


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パパイヤの病害として最も被害が大きいのはウイルス病です。その中でも「パパイヤリングスポットウイルス(PRSV)」による病害が深刻で、米国・ハワイ州(特にハワイ島)では1990年代前半よりこの病気が蔓延し甚大な被害を受けました。
このウイルスへの耐性を示し、感染しても生育できるよう開発されたのが「遺伝子組換えパパイヤ」で、正式には「パパイヤリングスポットウイルス抵抗性パパイヤ55-1系統」と呼ばれています。米国では1997年にFDA(米国食品医薬品局)が食品としての安全性評価を行い、認可された翌年の1998年に商業栽培が開始されました。現在も「レインボー種」という名前で一般に広く流通しています。

日本では、食品安全委員会が同パパイヤの食品としての安全性評価を行い、2009年に人の健康を損なうおそれはないものと判断しました。これに伴い、消費者庁において表示の義務化の検討を行い、2011年8月に新たに義務表示の対象品目として追加、カルタヘナ法に基づく承認がなされた同年12月以降、同パパイヤを我が国に輸入することが可能となりました。

農林水産省ウェブサイト 遺伝子組換えパパイヤに関する情報(詳細)
厚生労働省ウェブサイト 遺伝子組換え食品
安全性審査が終了し公表された遺伝子組換え食品及び添加物リスト(平成28年7月11日現在版)」(PDF)


遺伝子組換えパパイヤの流通にあたっては、非遺伝子組換えパパイヤと混入しないように管理し、1個ごとに「ハワイパパイヤ(遺伝子組換え)」のシールを果実に直接貼り付けることとされています。また、「パパイヤを主な原材料とするもの」として加工品も表示項目に追加されることになりました。

消費者庁ウェブサイト 食品表示に関するパンフレット・Q&A・ガイドライン等
ハワイ州産の遺伝子組換え及び非遺伝子組換えパパイヤ確保のための流通マニュアル」(PDF)


一方、同じ遺伝子組換えパパイヤですが、他にも日本では安全性未審査の系統が3種(PRSV-YK、PRSV-SC、PRSV-HN)あり、沖縄で流通しているパパイヤ種子から検出された事例、中国産、タイ産、台湾産、ベトナム産のパパイヤもしくはその加工食品から検出された事例、タイからペットフード用に輸入された乾燥パパイヤから検出された事例などがあります。

ビューローベリタスはこれまでPRSV-YKの検査を実施してきましたが、この度PRSV-SC、PRSV-HNの検査も受託が可能となりました。
厚生労働省「安全性未審査の組換えDNA技術応用食品の検査方法」に則り、検査を行います。


検査の流れ

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(1) 生鮮パパイヤだけでなく乾物、ドライフルーツ、ジュースなど様々な加工品があり、それぞれ適した前処理(凍結乾燥など)を実施。1検体2並列で進めます。
(2) DNA抽出キットを用いてDNAを抽出。
(3) 濃度を調製したDNA試料液を用いてリアルタイムPCRで測定を行い、結果を判定。


検査の種類

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(1) パパイヤ陽性対照試験(パパイヤが元々持っている内在性遺伝子の変性度合いを調べる)
(2) CaM検知試験(遺伝子組換え体に導入されている35Sプロモーター配列を持っているか調べる)
(3) 3種のGMパパイヤ系統検知試験(それぞれの系統の配列を持っているか個別に調べる)


PCRの結果より判定(それぞれの系統で判定)

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(1) パパイヤ陽性対照試験でCt値(*1)が2並列で43未満であること。
(2) CaM検知試験でCt値が2並列で43未満であること。
(3) GMパパイヤ系統検知試験でCt値が2並列で43未満であること。

(*1)Ct値とは、PCR増幅産物がある一定量(閾値)に達した時のサイクル数を表し、初期鋳型量が多い程小さく、初期鋳型量が少ない程大きくなります。内在性遺伝子が変性し、ほとんど遺伝子が残っていない時は初期鋳型量が少なくなるため、サイクル数が多くなってもなかなか増えず、一定量に達しない(43以上になる)と言えます。



まず、陽性対照試験において2並列(+/+)になることが前提で(「+」はCq値が43未満という意味)、(+/-)または(-/-)の結果が出た場合、抽出精製以降からやり直しになります。再度PCRを行い(+/+)になればCaMおよび対象の系統検知試験に進みますが、(+/-)または(-/-)となった場合は「検知不能」と判定します。

以下の条件がそろうと、対象の系統検知試験の検査結果は「陽性」となります。

陽性対照試験 CaM検知試験 各系統検知試験

抽出DNA試料液@

(+/+) (+/+) (+/+)

抽出DNA試料液A

(+/+) (+/+) (+/+)

以下の条件の場合、対象の系統検知試験の検査結果は「陰性」となります。

陽性対照試験 CaM検知試験 各系統検知試験

抽出DNA試料液@

(+/+) (-/-) (-/-)

抽出DNA試料液A

(+/+) (-/-) (-/-)

一部の加工品においては、DNA抽出方法によりDNAの収量が大きく異なる場合があります。
ご依頼内容に応じて個別対応致します。お気軽にご相談下さい。


食品検査事業部 佐野有子


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