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DNAシーケンサーを利用した(マイクロサテライト)SSR法分析


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DNAシーケンサーとは

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ビューローベリタス 横浜分析センターが保有している分析機器の中に、DNAシーケンサーという装置があります。名前の通り、DNA Sequence(DNA塩基配列)を読み取る機械です。ごく簡単に説明するなら、キャピラリーなどのゲル中でDNA断片を移動させ、サイズの小さい断片から順番に読み取っていく装置です。
DNA試料はシーケンサー内のキャピラリーに充填されたポリマーの中を電気的負荷により移動して、レーザー検出器のある部分に到達した順に、DNAを標識している蛍光色素により読み取られていきます。DNA断片はサイズが小さいほど速く移動するため、サイズの違いを検出できるのです。
DNAはA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の4種類の塩基の連なりです。調べたいDNA領域でしかるべき手法で一塩基ずつ合成をストップさせた断片を作成し、DNAシーケンサーで解析すると、塩基配列が波形として目に見える形になります。
塩基ごとに異なる蛍光色素で標識しているため、4色の波形が表れます。DNAの塩基配列は、そのまま対応する色の波形の並ぶ順番に反映されます。

マイクロサテライト(SSR)法

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DNAシーケンサーでできることは塩基配列の読み取りだけではありません。DNA断片のサイズの違い(多型)から生物の種を分類するSSR法という分析手法について、ここで紹介したいと思います。
SSR法はフラグメント解析の1つで、マイクロサテライトを利用したDNAによる品種識別方法を指しています。

マイクロサテライトとは

ゲノム上に存在する反復配列で、2〜数塩基を1単位とした配列が複数回繰り返されている領域をマイクロサテライトと呼びます。Short Tandem Repeat (STR)あるいはShort Sequence Repeat (SSR)と表されることもあります。
この反復領域では変異が起こりやすく、繰り返しの回数が生物の品種ごとあるいは個体ごとに異なるという、生物学上非常に狭い範囲であるにも拘らずDNAレベルでの違いが見られるケースが生じます。このような、品種間や個体間で差異(多型)を得ることができる領域をマーカーと呼びますが、複数のSSRマーカーを組み合わせることで更にDNA識別の範囲や精度を上げることが可能です。


フラグメントの検出

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ある2塩基繰り返しのSSR領域があるとき、繰り返し回数が100回であれば、その長さは200塩基になります。繰り返し回数が101回であれば202塩基に。繰り返し回数の違いが、全体の長さの違いになって現れるため、断片の大きさを測ることで区別を行います。

左はSSRフラグメントのイメージです。
アガロースゲルによる電気泳動では200塩基(A)と202塩基(B)のDNA断片の区別は難しいですが、DNAシーケンサーであればたった2塩基の差でも問題なく区別できます。
左の図は大豆品種識別用マーカーが示す波形(SSRマーカーによる波形)の一部です。波形は右へずれるほどDNA断片のサイズが大きいことを表します。(小さく書き込んである赤い矢印は上下のカラムで同じサイズの断片があることを示しています。)
品種が違うと、このように全く違うパターンになります。
左の写真は牛個体識別の解析結果(SSRマーカーによる波形)です。
基本的に2検体間で比較を行い、波形パターンが一致するか不一致するかで、検体が同一個体であるか否かを判定します。

SSR法分析のごく簡単な説明ではありましたが、概要は掴んで頂けたでしょうか。
DNAが持っている情報によって、上のように同じ作物の品種(例えば大豆の「納豆小粒」と「タチナガハ」という品種)を分類したり、牛を一個体ごとに識別したりできるのです。


ビューローベリタスがお届けするサービス

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最後に、SSR法を利用している検査にはどのようなものがあるのかをご紹介します。




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食品検査事業部 西澤さつき


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