グローバル遵法管理手法として盛んに利用されるEHS (環境・労働安全衛生) 監査
(Enhesa – ブルームバーグBNA共同 第2回グローバルEHS監査に関する企業調査結果)


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2012年よりビューローベリタスとパートナーシップを結ぶEnhesa(エンヘサ)社が執筆する、「海外における法規制」に関する記事を連載しています。

Enhesaは、ベルギーのブリュッセル及びアメリカのワシントンDCに本社を置くグローバルコンサルティング会社であり、企業のEHS (環境、労働安全衛生) 及び製品の遵法を支援しています。

2015年10月には日本法人として日本エンヘサ株式会社を設立、日系企業のお客様に対して、よりきめ細かな支援をお届けする体制を整えました。

 

2015年2月13日から3月13日にかけて、Enhesa とブルームバーグBNA は、グローバルEHS (環境・労働安全衛生) 監査に関する企業調査を実施しました。本調査票は、企業内EHS監査員による任意団体として欧米で名高いオーディティング・ラウンドテーブル(米内部監査員団体IIA と統合予定)及びEHS監査員認証機関(BEAC)の協力を得て世界中の企業に送付され、初回調査実施時(2013年)より77%増の487名から回答を得ました。

 

回答者が北米大陸に限定された初回調査(2013年)と比較し、今年の調査には、世界中から回答が寄せられました。所属する企業の本社が北米に位置する回答者は84%から67%に減少し、その他の国に位置する企業からの回答者の割合が増加しました。本社が中南米に位置する企業からの回答者は2倍となり、そのうち80%がメキシコ、ブラジル、コロンビアでした。中近東・アフリカ地域では61%が南アフリカ、クウェイト、またはサウジアラビアでした。アジア本社企業からの回答者のうち85%が中国、日本、オーストラリア、インド、またはシンガポールでした。本社がアジアに位置する企業からの回答は全体の10分の1近くと、全体の50分の1程度であった2013年から大きく増加し、注目すべき増加を示しました。

 

回答者の属する企業のグローバル化度合いについては、40%が単一の国で、40%が6カ国以上で、また8%が30カ国以上で事業を行い、回答者全体でほとんど全ての世界中の国(185カ国)がカバーされました。

 

2013年調査と比較し、2015年調査ではより多くの企業がEHS監査を開始した、または近い将来に開始する予定であると回答しました。また、従来の環境・労働安全衛生に加えて、より多くのトピックを監査対象とする傾向が明らかとなりました。多数の企業が社内監査基準を作成しつつあるなか、監査の実施にあたっては外部の専門コンサルタントに依頼する傾向も示されました。このような変化は、グローバル化する経済情勢の中で、EHS監査がより複雑化し、困難となっていることを示しているといえるでしょう。

 

たとえば、2013年調査と比べ2倍以上の企業が、監査対象にGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)対応を追加しました。環境と労働安全が最も広く監査対象とされていることに変わりはありませんが、2年前に比べると、品質、EPR(拡大製造者責任)、省エネルギーを監査対象とする企業数は2倍以上に増えました。また、より多くの企業が、危機管理、輸送、緊急事態計画、CSR(企業の社会的責任)を監査対象に追加したと回答しています。サプライチェーン監査もより広く実施されるようになってきました。

 

調査への回答にほの見えるその他の重要なトレンドは、外部コンサルティング会社や外部監査員に第三者監査を実施させているか、社内監査員を補完させている企業が増加しているということです。さらに、特殊な経験を持つ監査員を要求する企業も増加し、未経験の監査員でもよしとする企業数の減少と対比しています。90%近くの企業が監査員に少なくとも1年以上の監査経験を要求し、それ以上の企業が、監査員に何らかの認証・資格の取得を求めています。2013年調査時より圧倒的に多い90%の回答者が、認証を取得した主任監査員を求めています。

 

2015年調査では、新しい質問項目として、グローバルでの法令増加と遵法対応の懸念が追加されました。多くの回答者が遵法管理について懸念を表明しており、ある回答者は「とても多くの法令が早いサイクルで制定されており、追いつくのが大変だ。自社施設や従業員が常に最新の情報を取得し、最新の法的要求事項に対応することを徹底させるのは本当に困難であり、私たちは法令違反のリスクにさらされている。」と述べました。半数以上の回答者が世界中の法規制の増加を認識しており、特に中国での法令の増加が顕著であるとの回答が多数ありました。中国で事業を営む回答者のうち4分の3以上が、自社施設の遵法状態に疑念を持っています。20%近くの回答者が、自社が事業を展開する多くの国で遵法リスクを管理できる状態にない、またはそれほどないと回答しました。世界中でEHS規制が増加しているという事実を受け、多くの回答者が監査基準を国、または地方の法的要求事項としています。

 

企業が監査に使用するツールも変化しています。多くの企業が自社開発した監査ツールを使用する一方、2013年より多くの企業が、外部コンサルティング会社がカスタマイズ作成したツール、またはコンサルティング会社が開発したツールをそのまま使用して、監査を実施するか、自社ツールを補完しています。監査で指摘された問題点のリスク分析を実施する企業数も10%増加しました。

 

総合すると、2015年調査の結果は、企業が監査を遵守状況の確認のために積極的に利用していることを明らかに示したといえます。ほとんどの企業が、監査基準として自社EHS基準や国家法規制を使用しています。輸送、危機管理、省エネルギーなど、その他の特別な項目を監査項目に追加する企業も増えています。監査員(特に主任監査員)の資格・認証も求められてきています。監査にかける予算は前年同程度か、増加の傾向にあります。

 

Enhesaは、2015年9月に、当2015年調査に関するオンラインセミナー(Webinar)を開催し、次の調査結果を報告しました:

 監査基準・構造

 監査機能、頻度、組織体制

 グローバルでの遵法リスク管理における懸念

 監査予算、人材、監査費用を下げるための取組み

 監査指摘事項の是正トラッキング手法

 EHS法規制増加が監査実務に及ぼす影響

 

オンラインセミナーで使用した資料スライドと音声を入手されたい方は、日本エンヘサ株式会社(下記連絡先)までご連絡下さい。

 

第2回グローバルEHS監査企業調査の詳細報告書は、2016年初旬に公開される予定です。現在は概要報告書のみ公開されています。概要報告書を入手されたい方は、下記、日本エンヘサ株式会社にご連絡下さい。

 

著者:Paul Beatley(Enhesa ディレクター)

翻訳・編集:宮田祐子(Enhesaシニアプロジェクトマネジャー)
 

【お問い合わせ】

日本エンヘサ株式会社
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-4-15 八重洲通ビル4F & 5F

TEL:03-6870-3527

japan@enhesa.comもご利用下さい

http://www.enhesa.com/

Enhesaは、ベルギーのブリュッセル及びアメリカのワシントンDCに本社を置くグローバルコンサルティング会社であり、企業のEHS (環境・労働安全衛生)法令遵守を支援しています。2015年10月には東京八重洲に日本法人を開設し、日系企業のお客様に応対しております。ビューローベリタスジャパン株式会社との緊密な連携により、EHS法規制動向のモニタリング、遵法監査ツールの提供、遵法監査代行、製品規制調査等、日本企業の国内及びグローバル市場における事業展開・事業運営、輸出に関する法令遵守を支援しています。


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