非破壊検査について


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今回は産業機器、産業プラント等の製造・建設時に欠かせない非破壊検査(NDI: Non-destructive Inspection)の役割、概要および検査種類を紹介します。

1.非破壊検査の役割
非破壊検査は原子力・火力発電所、石油精製、石油化学、ガスなどのプラントや、鉄道車両、飛行機、船、ロケットなどの輸送機器、橋、道路、ビルなど、さらにそれらの建設・製造に必要な鋼板や種々の工業製品を対象に様々なの分野で実施されています。
一般的に製造工程においては、材料検査から始まり加工中検査、加工後検査、出荷や引渡し前の完成時検査に分類されます。
品質保証面で顧客要求を満足させることができる製品であることを確認するために、最終製品の健全性を証明するデータを供給するという役割を担っています。

2.非破壊検査とは
非破壊検査とは言葉の通り素材や製品などのモノを壊さずに欠陥が有るのか無いのか、欠陥が有ればその欠陥の位置や大きさや分布などを調べる検査のことをいいます。そして、非破壊検査によって見つかった欠陥を対象に、定められた基準を満たしているかいないかの合否判定を行います。
その目的は第一に欠陥を見つけること、第二に欠陥を定量的または定性的に評価することです。

3.非破壊検査に用いる試験(測定)の種類

一般的な非破壊検査は数種類の試験・測定によって行われます。主なものとして、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験及びひずみ測定があります。その他には目視試験や耐圧試験、漏れ試験などがあります。
欠陥検出のための非破壊検査は内部欠陥の検出と表層部欠陥の検出に分類されます。
内部欠陥の検出には放射線透過試験や超音波探傷試験が用いられ、表層部欠陥の検出には磁粉探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験が用いられます。

欠陥検出のための非破壊試験

内部欠陥の検出

放射線透過試験、超音波探傷試験

表層部欠陥の検出

磁粉探傷試験、浸透探傷試験、渦流探傷試験

その他

ひずみ測定、目視試験、耐圧試験、漏れ試験

上記の各種試験方法の内、主な非破壊試験の概略は以下の通りです。

(1) 目視試験(VT: Visual Testing)
試験面の腐食、着色、変色などの色や形状、凹凸、付着物の検出や割れなどの表面の欠陥を、肉眼や時にはファイバースコープなどの光学的補助具を使い観察します。

(2) 放射能透過試験(RT: Radiographic Testing)
X線装置又はγ(ガンマ)線装置から照射される放射線を試験体に照射します。その試験体が欠陥を有する場合、欠陥部分を透過した放射線の強さは健全部よりも大きいため濃度差が生じることから、欠陥の像を検出することが可能となります。

(3) 超音波探傷試験(UT: Ultrasonic Testing)
試験体の表面に超音波を発する探触子を置いて内部に超音波を伝搬させる試験方法です。通常は内部で反射して戻ってきた超音波を受信することによって欠陥の有無を判断します。欠陥の位置や大きさは超音波が送信されてそれが受信されるまでの時間やエコーの高さまたは出現している範囲から求めることができます。

(4) 磁粉探傷試験(MT: Magnetic Particle Testing)
強磁性体が磁化されると、欠陥のある部分では磁束の流れがさえぎられて欠陥部分の空間に漏えい磁束が生じます。このような箇所に磁粉を適用すると磁粉が欠陥部に吸着され欠陥模様をつくります。磁粉探傷試験は表面から数ミリ程度であれば欠陥の検出が可能です。しかし深さ方向の形状や寸法を求めることは困難です。また、当然ながら非磁性体などの磁力を通さないものには適用できない試験です。

(5) 浸透探傷試験(PT: Penetrant Testing)
肉眼による検出が困難な試験体表面の欠陥を検出やすい状態にして検出する試験です。試験体表面に薬液を塗布し表面に存在する欠陥に液体を浸透させ、現像液と呼ばれるものを用いて欠陥中の液体を毛細管現象により表面に吸出し欠陥の指示模様として検出します。ですから、欠陥は表面に開口していることが条件となります。また、多孔質な材質には適用できません。

(6) 渦流探傷試験(ET: Eddy Current Testing)
電磁誘導現象を利用して主に試験体表面の欠陥の検出を行う試験方法です。コイルに交流を流して交流磁界を発生させ、金属にそのコイルを近づけて金属に誘導される渦電流の変化を検出します。試験体内に誘導される渦電流が試験体の欠陥によって変化すること利用しているので不伝導体には適用できません。材質試験や膜厚測定などにも利用されます。

産業事業本部 小林秀人

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